生活相談·日本語教育······共生実現への126の支援策
「特定技能」の創設にあわせ、政府は「外国人材の受け入れ·共生のための総合的対応策」をまとめた。
行政サービスの多言語化や日本教育の充実など126の支援策を盛り込む。
総合的対応策は、外国人が暮らしやすい社会にするのが主眼だ。都道府県と政令指定都市。外国人が多く住む自治体を中心に約100カ所の「多文化共生総合相談ワンストップセンター」(仮称)を設け、在留手続きや医療、教育など生活全般に関する相談に応じるとしている。
ただ政府が設置にかかる整備費の交付金の募集を始めたのは2月中旬。3月15日の締め切り時点で37自治体からの申請にとどまっている。
行政サービスの多言語化も進める。災害情報を11言語で出す他、110番通報や119番通報は通訳などで対応。運転免許試験やハローワークの窓口も複数言語に対応するようにする。各地域の主要な病院にも通訳を配置する。電話通訳サービスや通訳アプリの利用も促す。
日本語教育の充実も大きな柱だ。日本語教室が無い地域の解消を目指し、日本語教師の新資格も設ける。同時に、日本語学校の質を向上させるため、日本語能力試験の合格者数の公表を義務づける。生徒の出席率が低かったり、不法残留者が一定の割合は、留学生の受け入れができなくなる。
外国人との共生策をめぐって、政府は06年に「『生活者としての外国人』に関する総合的対応策」を策定していた。内閣官房が関係省庁のまとめ役として推進する形だった。
だが地方自治体からは「地方の現場に丸投げされている」と不満が少なくながった。今回の「総合的対応策」で、共生社会の実現が改めて図られる。